436: おさかなくわえた名無しさん 2014/09/16(火)15:44:28 ID:9zlKm2LJV
彼女とデートに行くぞー!とアパートの玄関を出たら、お向かいの妊婦さんが廊下でうずくまってた。
慌てて駆け寄って事情を聞くと、出掛けようとしたら、予定日よりだいぶ前なのに、お腹の張りと痛みで動けなくなってしまったらしい。
旦那さんは仕事中で連絡がつかなかった。
割と近くに産婦人科の病院があったが、話を聞くと妊婦さんの掛かりつけの病院は結構離れたところだった。
救急車を呼ぼうか?と聞いても大丈夫、休んでいれば良くなる、の一点張りだったが、顔色は悪いし、脂汗もひどく、痛みのせいかぐしゃぐしゃに泣いていた。
意を決して、妊婦さんを抱きかかえて車に乗せて、すぐ近くの方の産婦人科へ連れて行った。彼女は妊婦さんに寄り添って励ましている。
病院に駆け込んで受け付けに事情を説明すると、すぐに数人の看護師さんが飛び出してきてくれて、裏口からストレッチャーで妊婦さんは運ばれて行った。
看護師さんに自分の名前や住所、妊婦さんについて知っていることを伝えて、俺たちは帰宅。
結局デートは行かなかった。
その夜、旦那さんがアパートに訪ねてきて、昼間のお礼を丁寧に伝えてくれた。
残念ながら、赤ちゃんは助からなかったそうだ。対応が遅れていたら妊婦さん自身も危なかったと、泣きながら話してくれた。
旦那さんが帰って、まだ俺の部屋に残っていた彼女に事情を説明。
「そっか。せっかくデートもキャンセルしたのに、結局助からなかったんだ」
この一言に冷めてしまった。
この日は彼女を帰して、一ヶ月後には別れた。
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